仕上げ歯磨きで、子供のむし歯ゼロ
こんにちは、高見歯科医院 院長の裵(ペ)です。
子どものむし歯予防に欠かせない「仕上げ磨き」。
親御さんの中には、「いつまで続ければいいの?」「本当にやる意味があるの?」と疑問を感じている方も多いかもしれません。
今回は、12歳以下の子どもに対する仕上げ磨きの実施状況や関連データをもとに、今どきの家庭での取り組み方や、仕上げ磨きの重要性についてまとめてみました。
■ 仕上げ磨きとは?
仕上げ磨きとは、子どもが自分で歯を磨いた後に、保護者が磨き残しをチェックしながら丁寧に磨いてあげるケアのことです。
特に小学校低学年くらいまでは、手先の器用さや磨き残しの意識が未熟なため、自分一人で完全に歯垢を落とすことは困難です。
■ 実施率データ(全国調査より)
以下のデータは、厚生労働省や一部自治体、歯科業界の調査などをもとにしたものです
・2〜3歳 : 約95%
・4〜5歳 : 約82%
・6〜7歳 : 約60%
・8〜9歳 :約38%
・10〜12歳 :約15〜20%
実施率は年齢とともに急速に減少します。特に小学校中学年以降になると、「もう自分でできる」と仕上げ磨きを卒業してしまう家庭が多いのが現状です。
■ なぜ12歳頃まで仕上げ磨きが重要
1. 6歳臼歯のむし歯リスク
6歳頃に生えてくる「第一大臼歯(6歳臼歯)」は、奥歯の中でも特に溝が深く磨きにくい部位です。
この歯がむし歯になると、噛み合わせ全体に影響を及ぼすことがあります。
2. 永久歯が生え揃うタイミング
12歳頃までに、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」が続きます。歯並びが複雑になり、磨き残しやすい部位が増える時期でもあります。
3. 習慣化のチャンス
この時期に丁寧なブラッシングを体感することで、将来的に自分で正しく磨ける習慣が身につくという効果も期待されます。
⭐️当院おすすめの仕上げ磨きアイテムをご紹介します。
❶クラプロックス歯ブラシ : 痛み無くカンタンに汚れが取れます。
❷チェックアップ歯磨き粉 : 年齢に応じてフッ素配合量を選べます。
❸小児用フロス : フルーツの味付きでお子さんに人気です。
■ 仕上げ磨きを続けるコツ
- コミュニケーションの時間ととらえる
「磨かせてね」ではなく、「一緒にきれいにしようね」と声かけを工夫。 - 正しい姿勢と光の確保
膝枕スタイルで、明るい場所で行うと安全かつ丁寧にできます。 - 嫌がる場合は短時間集中で
すべての歯を一度にではなく、上の歯→下の歯と分けるなど工夫を。 - 仕上げ磨き用の歯ブラシを活用
ヘッドが小さく、操作性の高いブラシを選びましょう。
■ 仕上げ磨きの終わりどきはいつ?
目安としては、「永久歯が生え揃い、自分で完璧に磨けるようになったと確認できたとき」です。
年齢で言えば12歳頃までがひとつの区切りとされます。
ただし、子どもの歯並びや性格、生活習慣によって個人差があるため、歯科医院でのチェックとアドバイスをもとに判断するのがおすすめです。
■ まとめ
- 仕上げ磨きは、特に6〜12歳の間にこそ重要性が増す
- 実施率は年齢とともに下がるが、むし歯リスクはむしろ高まる
- 「永久歯のケアを家庭でサポートする最後のチャンス」として、12歳ごろまでの仕上げ磨きが推奨される
仕上げ磨きは、親子の絆を育みながら子どもの一生の歯を守る、大切な時間でもあります。
ぜひ日々の習慣の中に、楽しく・前向きに取り入れてみてください。
PS、今月の院内ウォールステッカーです😄