子供のすきっ歯 大人のすきっ歯
こんにちは、高見歯科医院 院長の裵(ペ)です。
本日はすきっ歯について、子供と大人に分けてそれぞれお話させていただきます
そもそもすきっ歯とは、
歯と歯の間にすき間がある状態を指します。特に前歯の間に生じやすく、これを「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼び、見た目や発音への影響を気にされる方が少なくありません。
●子供のすきっ歯:
成長とともに自然に治るケースもありますが、「上唇小帯の異常」「歯の形・本数の異常」「癖や呼吸の影響」などがある場合は治りにくく、6歳を過ぎたあたりから経過観察しながら治療が必要かを見極める事が大切です。
●大人のすきっ歯:
大人の場合は、歯並びや噛み合わせの問題、歯周病による歯の移動、舌の癖(舌突出癖)などが原因で、すき間が生じることがあります。また、生まれつき歯の数が少ない「先天性欠如」や、上唇小帯(唇の裏の筋)が太く長いことも要因になります。自然に改善することはほとんどないため、気になる場合は治療が必要です。
【子供のすきっ歯の治療】
経過観察が基本です。ただし、以下のような場合は早期対応が検討されます
- 上唇小帯の異常:上唇の裏にある筋(上唇小帯)が太く、歯の間に入り込んでいる場合は、すき間が閉じないことがあります。この場合、小帯切除術(しょうたいせつじょじゅつ)が必要です。
①上の歯肉に表面麻酔後(なるべく痛くないように)に注射で麻酔
②CO2レーザーで切除(ほとんど出血しません👍) ➡︎ 処置時間 約3分
③消毒して終了(当院では鎮痛剤の処方が必要であったケースはありません)
当院での実際の症例です。
CO2レーザーを用いるため出血や術後の痛みが少なく傷の治りも良好です◎
- 舌癖や口呼吸:舌で前歯を押す癖や、いつも口が開いている状態が原因の場合、筋機能療法(MFT)とプレオルソの使用で癖を改善するトレーニングを行います。
プレオルソは、「歯ならび」だけでなく、「咬み合わせ」「お口ぽかん」の改善、「口呼吸から鼻呼吸へ」「舌のトレーニングによる正しい飲みこみや発音」など、お子さまを健康な体へ導くことを目的としています。
具体的なには、マウスピースを
◉起きている時に1時間
◉就寝時
装着します。
【大人のすきっ歯の治療】
自然に治ることはほとんどないため、以下のような治療が検討されます。
1. 歯列矯正(ワイヤー矯正・マウスピース矯正)
歯の位置を本格的に整える方法です。歯の間のすき間だけでなく、全体の噛み合わせも改善できます。
2. ダイレクトボンディング
白い樹脂(レジン)を歯の側面に直接盛り足して、すき間を目立たなくする方法です。短期間(1日で完了)・歯を削らないというメリットがありますが、耐久性には限界があります。
3. ラミネートベニア
歯の表面を少し削り、セラミック製の薄いシェルを貼りつける方法。見た目が自然で、色も調整可能ですが、歯を削るため不可逆的な処置になります。
4. クラウン治療
歯の全体を削り、被せ物を装着する方法。歯の形や色、すき間を大きく修正できますが、健康な歯質を多く削るため慎重に検討する必要があります。
このようにすきっ歯は適切な治療により改善が見込めます。特に子供のすきっ歯は6歳頃を目安に歯科医院での診断と治療の検討が大切です。
気になる方はお気軽にお声掛けください
PS、一足早く、母の日のカーネーションです。